日台夫婦の観点から「国際結婚の難しさ」について分解してみた

国際結婚

こんにちは、台湾のゆっこです。

母からLINEがあり、台湾でも愛ちゃんのことは話題になってるの?と聞かれました。

私はテレビをあまり見ないのですが、他ルートでニュース自体は知っていました。

なんとなく、どうなんだろうと思って朝のニュースを見ていると、福原愛さんのニュースが流れました。続いて、他の日台カップルが登場し、国際結婚は難しいのか!?と視聴者を煽っているのを見て、私のアンテナがピコンと立ちました。

国際結婚の難しさってなに?
本当に難しいのかな?



ということで、今日は「国際結婚」について、少し分解してみようと思います。

特に国際結婚を狙っていたわけでも、台湾人男性を狙っていたわけでもなく、自然な流れで台湾に移住し生活を初めてもうすぐ2年半。(マルコスと結婚するまで(1/3)-出逢い編-

私が考える「国際結婚を難しくさせうる要因」を、ざっくりと以下のように分類しました。

・言語の違い
・文化の違い
・気候の違い
・自国を離れることで起こる問題

では、ひとつひとつ、詳しくみていきます。

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言語の違い

言わずもがな、「言葉の壁」ってやつです。

では実際はどうでしょう?私たち夫婦の例を考えてみます。

夫婦間コミュニケーション

私たちは、お互いの母国語である日本語と中国語ではなく、お互いの第2外国語である英語で主に会話をしています。

マルコスと私の英語力には大きな差があります。

マルコスと私の英語歴

マルコス:
 カナダに5年留学
 大学院まで英語教育専攻
 仕事で海外顧客担当
 復職で現役英語講師

ゆっこ:
 留学や英会話教室経験なし
 大学時代に40日間アリゾナに滞在(留学目的ではない)
 独学で英語学習歴あり


はい、英語学習の歴史も深さも全然ちがいます。

それでも、遠距離恋愛中も結婚後も、マルコスがくみ取ってくれるので、なんとかコミュニケーションがとれています。

しかし、マルコスでさえ英語は母国語ほど自由自在に操れません。私はもっと操れません。そんな英語を駆使しなければならず、もどかしかったり、誤解を生むこともあります。

しかし、不自由だからこそ、相手に伝えようという意識がとても高まります。また、相手の思いを理解しようと、自然と一生懸命に聞こうと言う姿勢になります

同じ国出身、同じ言語を使っているカップルだった場合、言わなくてもわかるでしょという気持ちがどこかで働いて、会話によるコミュニケーションをサボってしまうこともあるのではないでしょうか。

そう考えると、私たちは話し合いを大事にしている夫婦です。

これって、ある意味ステキなこと。だから、難しさをバネに絆を深めることさえできると思っています。

夫婦以外とのコミュニケーション

国際結婚をすると、どちらかの国に引っ越す場合が多く、パートナー以外とのコミュニケーションをとるために、引っ越した側が言語を学習する必要があります

私たちの場合は、私が台湾に引っ越し、マルコス母マルコス姉と同居しているので、中国語学習が必要になります。

幸いマルコス姉は日本語がペラペラなので、むしろマルコスとよりも会話がスムーズです。(日本語ゼロ生活に比べると、ストレスがだいぶ軽減できています)

マルコス母は、英語はあまり通じません。初めの頃は、google先生頼りのコミュニケーションでしたが、トンチンカンな翻訳も多くて、逆に混乱することもしばしば。

ある日、マルコス母に何かを聞いたら、マルコス母の翻訳機が「背中を見ろ」と言ってきて、意味が分からな過ぎて笑えましたが、ずっとこれではコミュニケーションが取れません。

まずは一番身近な中国語話者であるマルコス母とのコミュニケーションがとれるように、引っ越してしばらくは、独学で中国語の勉強をしました。

今では、日常会話をしたり、マルコス母の昔話を聞いたりできるくらいには成長しました。

買い物ひとつとっても、初めのうちは何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。しかし、勉強を進めているうちに、少しずつ相手の言葉が聞き取れるようになっていき、会話ができるようになり、コミュニケーションが取れることが楽しくなっていきました。

そして、慣れてくると、不愉快な話題は分からない振りしてスルーするという技まで使えるようになります。

大人になってから、何かを勉強して自分の進歩を感じられるって、とても素敵なことだと思います。

ただ、まだまだ私の中国語レベルが低いので、台湾人相手に仕事をするのは難しい。今後の課題のひとつが、中国語力の底上げです。それも自分次第。他の人ができているのだから、きっと自分にもできるはず。



つまり、言葉の壁はなんとでもなります

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文化の違い

同じアジア人同士、しかも3時間程度で行ける近さにある日本と台湾。

住んでみないと分からない文化の違いがたくさんあります。むしろ違うところだらけです

宗教、習慣、住居、食べ物、家族、人々の気質などのほとんど全てが違うと言っても過言ではありません。



市場に行けば、生肉が板の上に並べられ、お客さんたちが素手で生肉を触りその手でお金を渡す

家には道教の大きな神棚があり、月に2回の礼拝の日にはフルーツをお供え。その他の年間行事も、忘れずに行う。

巷の小さなレストランでは、骨付き肉の骨を直接テーブルの上に吐き出す人もいる。

持ち帰りで汁物を頼むと、ビニール袋の中にスープごと入れて渡される。

銀行のような場所でも、スマホを見ながら対応されることもある。

時間にルーズで、約束の時間に全員が集合することはない。結婚式でさえ9割くらいゲストが揃ったらスタートするといった感じ。

計画的に予定を立てるよりも、その場の思いつきで行動をする。

中にはほとんど外食で済ませる家もある。キッチンがない、 または料理なんてできないぐらいの簡易的なキッチンしかないような賃貸物件も多い。

道端では、野良犬や飼い犬が自由に散歩

イエス、ノーをはっきりと言う。

親戚との距離感がやたら近い。離れて暮らしていても、週末は必ず実家に帰るのも珍しくない。

春節には、子供だけではなく親など大人にも紅包(お年玉)を渡す。(私は義理伯母や夫から貰いました)

食事のマナーは厳しくなく、ゲップをしたり肘をついたりしてもOK。

大皿料理のおかずをご飯の上にのせて、かきこんで食べる

住める土地が少ないので、マンションタイプの住居が一般的。日本のような住宅街は見かけない。

湿度が高いため床は基本的にタイル、 トイレと風呂場(シャワールーム)は同室設置。

ゴミ収集所がないので、ゴミ収集車がくる時間にゴミを持って自分で車両に放り込む。(専用のゴミ収集所があるマンションもある)

このように、挙げればきりがないほど違いがたくさんあります。

「台湾人と日本人の気質の違い」については、過去記事にまとめてあります。



さて、これらの文化の違いについてどう考えるか?

私は相手の国に住んだからといって、文化の違いに全て順応しなければいけないとは思っていません

文化の違いに触れることによって、自分の中の価値観がハッキリしてきます。

・問題なく受け入れられること
・台湾の方が合うと感じること
・受け入れたくないこと
が分かってくるので、その気持ちに素直に従えばいいと思います。

汁物をビニール袋に入れるなんて、破けたらどうするんだと思っていましたが、案外破けないし、エコにもなります。同時に、日本はエコ後進国だと気づきます。

時間にルーズな点は本当に嫌だし、慣れたくもないです。すべての台湾人がそうではないですが、日本に比べると時間は守るものという感覚があまりありません。待たせることが相手の時間を奪うことになるという考えも、おそらくないです。

時間にゆるい文化に流されないように、私は時間を守るように心がけています。そして、待たされるのが嫌だという意思表示をします。

宗教に関しては、道教に入れと言われているわけではないし、度々フルーツの恩恵にあずかれるのでラッキーぐらいに思っています。

もしマルコス家族に毎週末一緒に出掛けたりするような習慣があったら、 自分の価値観を説明し、自分の時間を確保していたでしょう。(引っ越す前に一番心配だったことですが、幸いマルコス家族にその習慣はありませんでした)

文化の違いに関しては、楽しめるものは楽しみ、受け入れるものは受け入れる。そして、嫌なものは避けるか、工夫をして快適に暮らせるように調整すれば、なんとかなる部分も多いと感じています。

自分の価値観を大切に、主張するところはして、我慢をしすぎないことが異文化で暮らすコツだと思います。

気候(環境)の違い

実のところ、私にとって一番の悩みの種です。

自分の力ではどうにもならないのが、気候や環境だと思います。

台湾は湿度が高い、夏が暑くて長い、空気が汚い。

子供の頃から耳鼻咽喉系と皮膚が弱いため、私の体にとっては非常に厳しいです。

湿度が高くて暑い夏期(5月ぐらいから10月ぐらいまでの半年間)は、毎日体のどこかに蕁麻疹が出来ては消えを繰り返します。

大気汚染がひどい日は、鼻水とくしゃみが止まらなくなります。

また、冬でも蚊や小さな刺す虫が飛んでいるので、一年中虫に刺される心配をしています。

台湾の虫はとにかく毒が強いくて、刺されると真っ赤に腫れて、痒くて、跡はなかなか消えません。

「小黒蚊」という台湾特有の虫に刺されまくったことがありますが、そこそこ見られる状態にまで回復するのに1年以上かかりました。



そういった体に直接ダメージがくるような気候や環境の変化は、私のようなアレルギー持ちにとっては致命的です。

気温も湿度も空気も、対処しようにも相手が強力過ぎて厳しいものがあります。 



逆に日本の環境が合わなかったという例もあります。

台湾人の友人が日本に住んでいたころ、花粉によるショック症状で倒れてしまい、台湾に帰ってきたと言っていました。体質によって、合う環境は人それぞれですね。



さて、私ができる一番現実的な対処法は、体へのダメージが強い季節を狙って日本に帰ることです。(今はコロナで難しいですが)

将来、時間やお金がもっと自由になったときは、環境が合う国でしばらく過ごすのもいいなと思っています。(これ、私の夢です)



また、治安も環境のひとつと考えると、台湾は過ごしやすいです。人ごみではスリに気をつける、夜に女性が一人で歩く場合は薄暗い道は避けるなど、日本と同じ程度に気をつけていれば大丈夫です。



自分の力では変えることはできないので、国際結婚の難しさを左右する最大のものは気候(環境)だと思っています。

自国を離れることで起こる問題

日本を離れることにより、細かくて地味にメンドクサイ問題が色々とあります。

ただ、致命的なダメージかというとそうでもありません。工夫や考え方次第で、解決する問題も多いです。



日本に住む親に何かがあったときに、すぐに駆けつけることができない。
事前に信頼できる人にお願いしておく

日本の友人とは離れ、台湾で友人ゼロからの生活スタート。
日本の友人とはzoomでチャット、台湾の友人は無理に作らなくても自然とできればよし

日本の住民票を外しているので、日本帰国時は保険が効かない。役所で一時的に住民登録すればいいが、タイミングにより保険料や住民税が発生。
帰国時に、台湾の海外旅行保険に入る

日本では投資不可。NISAもiDeCoでの積み立ても株の売買もできない。
投資は台湾で始める、ついでに中国語の勉強にもなる

日本の口座にあるお金を自由に使えない。
無駄使いをしないで済むが、投資もできない(海外送金の壁と格闘中、いい方法があったら教えてください)

kindle版になっていない日本の書籍が購入しにくい。
コロナ前は台湾に遊びにくる友人に運んでもらい、先日は小包を送ってくれる友人に頼んで同封してもらった。Amazonの海外送付を利用してもよい

仕事を辞めたので、キャリアゼロスタート。
そもそも会社員には向いていないので、自営業を始めるチャンスと捉える

免許更新のために帰国する必要がある。
帰国できる良い機会

時差により、参加できないオンラインイベントがある。(早朝すぎて断念)
どうしても受けたいなら起きるだろう、それまでのことだとスッパリ切る



以上、かなり細々とした事例と対応を紹介しました。

ひとつひとつ見ていくと、殆んどのことが、物理的にクリアできたり、感情的にクリアできたりすることが分かります。

ひとつだけ、海外送金だけは、色々調べてみましたが難しそうです。お知恵があれば、コメントお待ちしております。

【まとめ】国際結婚は難しいのか?

同国籍のカップルではあまり起こらない、「難しさ」はあると言えばありますが、それぞれ対処法があるものも多いです。

・言語の違い→どうにでもなる
・文化の違い→迎合しすぎる必要なし、取捨選択して自分の価値観を大切に
・気候の違い→コントロールは難しい
・自国を離れることで起こる問題→解決できるものが多い



これらを、難しいと思ったら、どこまでも難しく感じるだろうし、実際に、国際結婚が向いてない人もいると思います。

私が国際結婚に向いていると思う人は、
・ある程度の適応力があり
・少し気が強く
・人生を楽しむマインドを持っている

人です。

私は、性格はそこそこ向いているタイプだと思います。



また、引っ越す方のパートナーの体が丈夫なことも重要なポイントです。

私はこの点、あまり向いていません。アレルギー体質を改善しないと、楽しく過ごせる日が減ってしまいます。

どうですか?あなたは国際結婚は難しいと感じますか?

私はまだ国際結婚初心者ではありますが、国際結婚だから・・・難しいとは思いません。

詰まるところ人と人の問題です。パートナーを信じて、会話を沢山して、一緒に考えて、きちんと向き合っていれば、国籍はあまり関係ないと思います。

これから国際結婚をする方も、国際結婚をしている方も、なにかの参考になれば幸いです。


最後までお読みいただきありがとうございます。
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お気軽にコメントください

  1. メイフェ より:

    ゆっこさん、こんにちは♪

    ゆっこさんが書いていらっしゃった
    >相手の思いを理解しようと、自然と一生懸命に聞こうと言う姿勢になります。

    ここが大事なところだな~って思います。
    これって本当に国際結婚だけでなく、同じ国同士でも言えることだと。
    そういう思いやりが欠けていたら、人間関係を上手く築くことは難しいです。

    でも本当に自分が心身ともに健康でいないと、海外生活は特に大変ですね。
    私は台湾に帰ってきたら適度な湿気に調子が戻りました。
    日本の乾燥はやっぱり辛かった~。笑。

    • 台湾のゆっこ より:

      メイフェさん

      そうですよね。本当に思いやりが大切だと思います。
      今回は皆さんが関心が高いようなので、国際結婚をテーマにしましたが、
      おっしゃる通り、これは夫婦間だけじゃなく、人とのコミュニケーションしかり。
      結局は、人柄だよな~と。

      国際結婚で言葉が通じないからメンドクサイ、もういいや、
      と投げ出すパターンもあるだろうし、
      同国同士だから分かるっしょ、とサボるパターンもあるだろうと思います。
      だから、「国際結婚だから難しい」という番組の論調に本当にそうなのか!?と
      アンテナが立ちました。

      色々と分解して考えてみて、私の場合は台湾の気候が一番の問題だと行きつきました。
      体調不良って精神的にダメージもくるから、慣れてくれるといいのですが。

      冬の日本は乾燥激しいですよね。冬は台湾、真夏は日本かその他の国に行けると
      体に優しい生活になるのかな~。贅沢な願望です(笑)

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