こんにちは、台湾のゆっこです。
毎回長めの投稿が多いので、読者の皆様も筆者も少し休憩ができるように、新しいカテゴリー『箸休め』を立ち上げました。日常のちょっとした小話や、台湾に住んでいるからこそ気づいた些細な事柄を書いていこうと思います。
今回は、「チッチッチッ」と日本ではあまりお行儀が良くない舌打ちを頻繁に耳にする件に注目します。
前述の通り、台湾に移住してから舌打ちを聞く頻度がとても多いです。日本では舌打ちと言えば機嫌の悪さを表すもの。しかし台湾人は、相手が体調が悪かったり、不運なことがあったりしたときに、心配を表して「チッチッ」と舌打ちするのです。
例えば、私が小黒蚊に刺されて足がひどい状態になっているときに、色々な人に眉間にシワを寄せて心配顔で「チッチッ」としながら状態を聞かれました。「チッ、あら~なんでこんなに、チッチッ、どうしたの?チッチッ」といった具合です。一番身近な所ではマルコス母、更に友人や整体の先生にも、「チッチッ」と舌打ちをしながら心配されました。
家族では特にマルコス母が「チッチッ」します。風邪をこじらせたマルコスを心配して「チッチッチッ」、飼い猫が具合が悪いとき、友人の困りごとを聞いているときにも、「チッチッ」です。
心配する場面以外では、話の途中でまるで間を取るように 「チッ」としたりもします。話の内容が完全には理解できませんが、たわいない話で怒っている様子ではありません。かわいい顔をした女の子がたまに「チッ」としながら話すのに違和感を覚えます。
もちろん、イラッとしたときの「チッ」もあります。台湾人は表に感情を出す人が多いので、このパターンは分かりやすいです。でも心配チッチの頻度が断然多いです。でも、舌打ちをする人とあまりしない人がいるのも確かです。その違いはなんだろうかと思いながら、気づくと1年が過ぎていました。
さて、この「チッチッ」の謎が先日ようやく解けました!
台湾にはいわゆる”中国語(普通語)”の他に、おじいさんおばあさん世代が主に話す”台湾語”というのがあります。台湾語は中国語とは単語自体が全く異なり、日本統治時代に日本語の影響も受けている言語になります。運転手が台湾語では「ウンチャン」だったりします。(オバサンも日本語ベースの台湾語なので、台湾で「オバサン、、、」と悪口を言うと通じてしまうのでご注意を!)
30代半ば以上の人たちは、祖父母と会話をするために、この台湾語も話せる人が多いです。引っ越すまで知らなかったことですが、台湾には他にも日本語、客家語など複数の言語が使われているので、バイリンガルの人が多いです。そして、舌打ちのような「チッ」は、台湾語が持つ音や話し方の影響ではないかとマルコスが言っていました。
確かに、私の周りで「チッチッ」を炸裂させる人たちは、家族に台湾語を話す人がいて、日常的に台湾語を話しています。マルコス母も同世代の友人と話す時は、急に台湾語に切り替わります。家族で話しているときも、急に台湾語になるときがあって、そうなると私はちんぷんかんぷん、お手上げです。マルコスやマルコス姉も、台湾流舌打ちをたまにしますが、頻度は高くありません。台湾語を話す頻度が低いからと思われます。この舌打ちの疑問を投げかけたとき、あまり本人に舌打ちをしている自覚はないようでした。
小さなことですが、台湾の持つ言語文化の影響を受けている(とマルコスが推測する)面白い特徴と言えます。
ということで、皆さん、台湾に来たときに「チッチッ」としている人を見かけても、あの心配のパターンね、と思って聞き流して下さいね。
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