こんにちは、台湾のゆっこです。
台湾は出産後には月子中心(産後ケアセンター)で手厚いサポートが受けられるし、
地域のみんなで子どもを育てる雰囲気があって、
日本みたいに子連れが肩身の狭い思いをしなくていい、
などの台湾は子育てがしやすい話を聞いたことがありますか?
実際に台湾で出産&育児をしていると、確かにその側面はあると思います。
始めに簡単に台湾で子育てがしやすいと感じる点について挙げてみます。
台湾では妻の妊娠出産時に夫にも「付き添い休暇」という有休休暇が7日間もらえます。
そのため妊婦健診時に夫が付き添うのはよくあることだし、出産時に夫も病院に泊まり妻の世話をするのが一般的です。
おかげで異国で言葉もあまり分からない中での出産でしたがほぼ心配することなく出産をすることができました。
出産の超生々しい記録は「台湾出産ものがたり」シリーズをどうぞ。
また、43歳というなかなかの高齢初産だった私にとって「月子中心は必要不可欠だった!台湾で出産してよかった!」と心から思っています。
太郎を連れて外に出ると見知らぬ人にさっと助けてもらうこともよくあります。
段差があればベビーカーを持ち上げてくれるし、上着を着たりリュックにものを入れるのを手伝ってくれたり、太郎がぐずっていると声をかけてあやしてくれようとします。
政府運営の「親子館」と「兒童樂園」は無料で子どもたちを安全に遊ばせられる素晴らしい施設で、これがなかったら普段どう過ごしているのか想像がつきません。
親子館は先生たちが色々なイベントをしてくれますし、兒童樂園は大きな滑り台や大きな風船で遊べたりする比較的大きな施設です。
この規模の施設は日本では有料ではないでしょうか。
日本では子連れで外食をするのはお店選びが大変と聞きますが、台湾では外食をする家庭が多いこともあり親の心理的ハードルはかなり低いです。
また、仕事をしていなくても保育園が利用できるし(仕事をしていることが必須の日本の仕組みが厳しすぎる気もしますが)、政府が制定する厳しい基準をクリアした登録制のベビーシッター制度が整っているため、女性が職場復帰しやすいです。
さて、この「女性の職場復帰」について、なかなか厳しい面もあると思うことありました。
私の知り合いで会社勤めをしているお母さん2人が、産後約2か月で職場復帰をしているのです。
産後2か月!?
欧米か!?
台湾では産後数ヵ月、長くても6ヵ月以内に職場復帰するのが一般的だそうです。
そして、理由が「自分のポジションが他の人に取られてしまうかもしれないから」と聞いてまたびっくり!
日本の企業で産休育休をたっぷりとる同僚や友人たちを見てきただけに、身体は大丈夫なのかと心配になりましたし、産後のメンタルで仕事をするなんて凄すぎると、台湾の企業で働く女性たちがとてもたくましく見えてきました。
その話を聞いてから、どうして自分のポジションがなくなるリスクがあるのか、しばらく疑問に思っていたのですが、その理由が最近分かりました。
台湾在住の日本人ライター近藤弥生子さんのVoicyで産休育休をテーマでお話をされていたのです。
放送の中で、日本がメンバーシップ型雇用なのに対して、台湾はジョブ型雇用というキーワードを聞いてピンときました。
なるほど、ジョブ型雇用ということは、会社としてはそのスキルをもった人がいれば代わりに雇う、もしくは配置換えを行って仕事が回ればいいので、ポジションが取られることが起こりうるのです。
日本のメンバーシップ型雇用にすっかり慣れていた私にとっては、サバイバルなとても厳しい世界に感じました。
その反面、近藤弥生子さんの放送の中でも紹介されているように、保育園には入りやすいし、安心なシッター制度も整っており、出産した女性にとってキャリア形成が難しくなるという問題はあまりないのかもしれません。
また、2か月で職場復帰した友人は、彼女の性格的に子どもの面倒を1日中ずっと見るのはしんどいと言っていました。
今は小学校付属の幼稚園に預けていて、送り迎えは義父母にお願いをしていて、仕事をしている平日の方が自分の時間があって精神的に楽だと言っていました。
娘さんのことが可愛いし愛している一方で、思い通りにならないことにストレスをとても感じるし、心配性で一緒にいるときに片時も目が離せないので疲れてしまうそうです。
彼女にとっては、台湾の産後に即復帰できる(せざるを得ない)環境が合っているようです。
でも、私のように、子どもがある程度大きくなるまでは自分で世話をして成長を見守りたいという気持ちが強い人にとっては、数ヵ月で職場復帰をして子供と離れる時間が多くなるのは切ない気がしてしまいます。
しかも、その理由がポジションがとられるかもしれないからというのは、なかなか厳しい~。
それもこれも、台湾の環境しか知らなければ当たり前のこととして受け入れるのかもしれませんが、産後の心身の回復には個人差もあるだろうし、台湾のお母さんたちはやっぱりたくましいと改めて思いました。
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