皮膚科の費用が毎回200元!?台湾の健康保険について調べてみました。

台湾の文化・生活

こんにちは、台湾のゆっこです。

今回は台湾で皮膚科、漢方医を受診した時に支払った金額や保険の仕組みについてシェアしていきます。(※衛生福利部中央健康保險署のHPとマルコスに電話で確認してもらった内容をまとめた、2019年7月の情報です)

本文中に金額が頻繁に出てくるので台湾元のレートを書いておきます。100元は360円くらいです。4倍弱だと思っておくと計算しやすいです。

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皮膚科の会計が一律200元!?

花蓮で小黒蚊に刺されて痒みが引かずに皮膚科に行った時に、気になることがありました。診察前の受付時に、患者全員が一律200元払っているのです。私も200元支払いました。私の場合、同じ皮膚科に3回行きましたが、毎回200元を最初に支払い、その金額には処方薬代まで含まれています。薬が3日分だったり5日分だったり、内容も毎回違いましたがとにかく200元でした。

写真が強烈ですが、小黒蚊に興味がある方はこちらをお読みください。

思い返してみると、漢方医でも初めに受付で一律150元支払いました。但し、この時は最後に漢方薬を貰う時に、薬の内容に寄って20元か40元を追加で支払っています。感覚的に、この漢方医の方がきちんと計算してそうです。

日本だと、受診料は最後に払うもの。医療費用の自己負担率は通常3割というのは、いつの間にか頭に入っている知識だと思います。何だかざっくりとしてそうな台湾の医療費や保険制度について気になり、調べてみることにしました。

台湾の国民健康保険は「全民健康保険」

全民健康保険とは?

台湾にも「全民健康保険」という国民健康保険があります。1995年3月1日に全国民の健康を保証すべく発足されたそうです。そして台湾国籍を持つ国民は生まれた日から、居留証を持つ外国人も仕事・年齢・性別に関わらず全員、全民健康保険に加入することが法律により義務付けられています。

つまり台湾人と結婚して居留証を取得した私も加入義務があります。

そして、保険加入者から毎月支払われる保険料から、診療費用と薬品費用の一部を患者の代わりに支払います。このあたりは日本の健康保険と仕組みは同じです。異なる点は、加入義務のある保険は台湾はこの「全民健康保険」一本ということでしょうか。もちろん民間の保険会社もあるので、任意で保険に加入することもできます。日本は企業によって加入する保険組合(協会)が違いますよね。台湾はとにかく全員「全民健康保険」に加入するという分かりやすい制度のようです。

日本にも導入してほしい合理的な「健保カード」

保険に加入したら健保カードの申請をし、発行して貰います。
中国語では健保卡(jianˋbaoˇkaˇ ジェンバオカー)と言います。
2004年1月1日から顔写真入りのICチップが埋め込まれたカードに変わったそうです。以前、紙のカードだった時は顔写真入りの身分証明書の提示も必要だったようですが、今はこの健保カード1枚を提示すればOKです。

この健保カードには以下の機能があり、大変便利な優れものです。

健保カードに記録される情報と利点

①カードを通して受診データが3年分クラウドシステムで記録される。
②医師のみ医師カードと併用することで、直近6回の記録が閲覧可能。服薬や検査の重複が避けられ、安全で無駄のない診療を受けられる。
③重大傷病の登録がされているので、該当の傷病で受診する場合、無料となる。
④ドナーまたはターミナルケア(終末医療)の登録をし、医療スタッフに意思を伝えることが出来る。

患者本人も全民健保行動快易通というアプリをダウンロードすれば、過去3年分の医療記録、保険料支払い記録なども確認できます。それには、身分証番号(外国人は居留証/ARCカードの番号)、電話番号、健保カード番号が必要になります。この過去のデータは医師も必要に応じて患者の許可を得れば閲覧することが可能です。

日本では保険の組織も様々で、個々に保証内容が違い複雑です。保険証は会社が変われば加入先が変更になり、カード自体も変更しなければなりません。それに加えて、各診療所、病院独自のカードも作成して持参するのが通例です。各病院で横串を通した情報は何一つないのではないでしょうか。

この台湾の保険はシンプルで合理的で、とても良いと思います。

加入条件は?

台湾に戸籍を持つ人は、全員加入義務があります。出国から2年以上帰国がない場合は、戸籍が抹消されますが、帰国後、戸籍を再登録すれば6ヶ月後から加入できます。ただ、会社勤めならば即加入も出来きます。

私のような外国人で無職の場合、居留証を取得してから満6ヶ月後から加入となります。外国人でも企業で働くならば、雇用された日から企業を通してできます(というより、義務です)。学生の場合は加入条件が整ったら学校を通して加入するようです。

私の場合はマルコスの勤め先を通して、マルコスの被扶養者として加入しました。会社の担当者が仕事をしたくない人で、保険加入やカード取得に思いの外時間が掛かりましたが、無事に取得できました。仕事をしたくないって・・・、これも台湾らしい一面です(苦笑)。

この「満6ヶ月後」には条件があって、台湾滞在が連続6ヶ月、または1回の出国が30日未満でそれを差し引いた台湾滞在が6ヶ月であれば加入できます。つまり、加入前に2回出国すると0日からのカウントとなってしまいます。これがあったので、なかなか日本に帰れませんでした。

保険料はいくら納める?

保険料は被保険者、事業主、政府が分担して納めます。保険料率は2016年1月から4.69%です。マルコス(被保険者)のような会社員は、月収によって月額保険料が変わります。給料があがれば、保険料も上がります。参考に、一般企業に務める会社員の計算式は以下の通りです。

保険料=月額保険料 ✕ 保険料率(4.69%)✕ 負担比率 ✕(1+被扶養者数)

この保険料を本人30%、会社60%、政府10%の割合で納めます。被扶養者数は3人以上は一律3人とカウントします。マルコスは私の分と2人分納めています。

もっとも保険料の計算式や負担比率は、第1類~6類に分類されたそれぞれの立場によって変わります。例えば、負担比率は事業主、自営業者100%、学生60%、低所得者、受刑者0%などと規定があります。

詳しくは衛生福利部中央健康保險署のHPの全民健康保険ハンドブック で確認できます。2017年から日本語を含む5ヶ国語で翻訳されたものが用意されています。それだけ台湾に住む外国人が増えているということですね。

病院で支払う一部負担金はいくら?

さて、皮膚科で一律200元の謎から始まった今回のリサーチですが、台湾の医療費の自己負担額は日本の計算とは大きく異ることが分かりました。

健保カードを持参すれば、診療を受けた患者が支払う金額は登録料+一部負担金となります。総額の何パーセントという日本の計算とは全く異なります。

カードを忘れた場合は一度全額負担になりますが、10日以内に受診した病院に健保カードと領収書を持参すれば、登録料+一部負担金を差し引いたお金が返ってきますのでご安心下さい。

登録料

登録料は各病院、診療所の独自の価格設定となっており、政府は規制していないようです。50元~100元が一般的のようですが、病院によるそうです。3回目に皮膚科に行った時には少し余裕があったので、受付の横に「掛號費150元、部分負擔50元」と書いてある札に気づきました。掛號費が登録料でこの皮膚科では一律150元に設定しているということでしょう。

一部負担金

一部負担金には、「外来一部負担金」と「薬品一部負担金」があります。診療費に対する費用と処方薬に対する費用の一部を自己負担するというものです。外来一部負担金は病院の規模、種類、救急かどうかなどにより、以下の表の通り定められています。私が行った皮膚科と漢方医の場合、両方とも50元ずつになります。

表1 外来一部負担金 (全民健康保険ハンドブックより抜粋)

次に薬品一部負担金は、以下の通りに定められています

表2 薬品一部負担金 (全民健康保険ハンドブックより抜粋)

薬代が100元以下だと無料、100元より高いと金額に応じて一部負担金が発生します。それにしても、薬代が101元でも200元でも20元とは、こちらも台湾らしいざっくりとした価格設定となっております。

漢方医の場合はこの表にのっとって、薬代によって20元か40元を追加で請求されたと予測できます。では、皮膚科の場合は何故一律200元だったのか?疑問が残ります。

海外旅行中の医療費も還付される!

余談ですが、もし海外旅行や出張中に急な傷病や出産で病院に掛かることになった場合も、診療日または退院の日から6ヶ月以内に必要書類と共に申請すれば、医療費が還付されます。詳しくは全民健康保険ハンドブック でご確認下さい。

【謎解き】以上を踏まえて実際の領収書を確認すると

それでは、私が実際に受け取った領収書を確認して謎を解明してみようと思います。きちんと計算してそうな漢方医の領収書から見ていきます。

漢方医の実際の領収書

まず、掛號費 (登録料) 100元と問診負擔 (外来一部負担金) 50元の合計150元を受付時に支払いました。次に、薬品費245元なので、表2の201~300元に該当し、薬品負擔 (薬品一部負担金) 40元となり、薬を受け取る際に追加で請求された金額にあたります。問題なさそうです。

では、皮膚科の領収書はどうでしょう。皮膚科では2枚の領収書を貰いました。

皮膚科の実際の領収書1

領収書1の右下の自付費用項目に部份負擔 (外来一部負担金) 50元、掛號費 (登録料) 150元とあり、合計200元を受付時に支払いました。登録料が少し高めの設定です。ここでよく見ると、薬費自付 (薬品一部負担金) 0元となっていることに気づきます。

皮膚科の実際の領収書2

領収書2には薬品費66元とあり、表2の100元以下にあたりますので部分負擔0元となります。領収書だけみると、計算は正しくみえます。しかし、実はこの領収書2は、3回の診察で全く同じ金額設定になっていました。処方内容は毎回きちんと異なっていますが、何故か毎回66元です。良く言えば会計を簡素化するための工夫、悪く言えば不公平な会計となっていました。

色々調べましたが、皮膚科の会計がいつも200元だった謎が解けたような、解けないような、何とも言えない結果になりました。また一つ、台湾らしさを学んだ気がします ^^;

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