「台湾人」と「EQ」について

こんにちは、台湾のゆっこです。

本ブログで何度も登場している台湾在住ノンフィクションライターの近藤弥生子さんのVoicyチャンネルで「台湾人はEQが高い」という話がたびたび出てきます。

EQ（Emotional Intelligence Quotient）は「心の知能指数」と訳されることが多く、感情を上手にコントロールして人と接する能力のことを指します。

簡単に言えば、コミュニケーション能力を示す言葉だと私は理解しています。

IQ（Intelligence Quotient/知能指数）と対比して使われることが多くて、最近ではIQよりもEQの高い人が好まれる傾向にあります。

さて、冒頭の「台湾人はEQが高い」についてですが、その話を聞くたびに「そうかなぁ…」とあまり腑に落ちない自分がいました。

台湾では初対面でもずけずけと不躾な質問をされるし、感情をストレートに表現する人が多い、そんな印象があるからです。

また、台湾に住み始めて丸5年が過ぎましたが、今まで知り合った台湾人の誰からもEQという言葉を聞いたことがありません。

でもそれは台湾人の友人があまりいない、会社勤めをしていないひとりの日本人の感覚に過ぎません。

そこで、実際に台湾人はどう思っているのかが気になったので、身近な台湾人であるマルコスとマルコス姉、そして日本で高校卒業まで過ごした後に台湾に移住してきた日台ハーフの友人（柴さん）にインタビューしてみました。

すると、3人に共通する回答が2つありました。

ひとつは「台湾人が（台湾人だからといって）特にEQが高いとは思わない」ということ。

もうひとつは日常でEQという言葉を使うのは、感情的になる上司に対して「あの人EQ低いよね」と同僚と話す場面くらい、ということでした。

EQという言葉が日本で日常的に使われる場面に出会ったことがないので、マイナスの意味だとしても、台湾の方がEQという概念が浸透していることがわかります。

では、台湾人が感じない「台湾人のEQの高さ」を、台湾に住んで10年以上になる近藤弥生子さんがなぜ感じるのでしょう。

そのヒントがマルコスの意見にありました。

生粋の台湾人であるマルコスいわく「台湾人は外国人に対しては優しいし親切だが、台湾人同士になると意地悪になる傾向がある」そうです。

マルコスは私が知る限り少なくとも3つの会社で働き、2度個人経営も経験しています。

確かに、マルコスが会社勤めをしていたころに聞く同僚たちの話は、とてもEQが高いとは思えず、子どもっぽいと思ったこともありました。

また、会社以外の様々な場面でも、マルコスが色々と経験をしている中で上記のような感覚を得たようです。

とはいえ「台湾人同士になると意地悪な面がある」というのは私が直接感じることはできません。

もうひとつの「外国人に対しては優しい」という点は、確かに日本人だからとよくしてもらうことが少なくないと思いました。

特に私が住んでいるのは日本人が他にあまりいないエリアというのもあるかもしれません。

親子館やお店などで覚えてもらいやすいし、サービスしてもらったり気にかけてもらったりと、周囲の台湾の方たちに色々と助けられています。

近藤弥生子さんが今まで台湾人はEQが高いと思ったエピソードの中には、「台湾で働く日本人女性」特有の経験が含まれているのかもしれません。

また、少し視点がずれるかもしれませんが、台湾人がよく言う言葉のひとつに「沒辦法めいばんふぁ」というのがあります。

「しょうがない/仕方ない」という意味です。

場合によっては仕方がないと受け入れた方がストレスが少なくて済むこともあります。

そういった受け流し方がうまいという側面があるのかもしれません。

台湾在住のみなさんはどう思いますか？

もしよろしければお気軽にコメントください。

ちなみに、私自身は自分がEQが高い人間だとは思っておりません。

感情がすぐに顔に出てしまうし、言い方がきついと言われることもあります。

ふわっと柔らかな雰囲気の人に憧れつつも、容姿も性格も理想とはかけ離れています。

台湾人のEQうんぬん語る前に、己をどうにかしろと自分にツッコミをいれております。