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台湾の名前文化|【改名制度】と【夫婦別姓】

台湾の文化、生活

こんにちは、台湾のゆっこです。

9月に入ってもまだまだ蒸し暑さが続いています。

さて、今回はマルコスと結婚して気付いた「夫婦別姓」の便利さと、親が付けてくれた名前を変えてしまう、台湾の斬新な「名前3回まで変更OK制度」に注目してみようと思います。

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夫婦別姓は便利でとてもいい

マルコスと結婚するまでは、台湾が夫婦別姓かなど考えたこともありませんでした。

日本では女性の9割以上が結婚すると夫の姓に変更します。結婚するときは勢いと幸せ気分で姓の変更にそれほど抵抗はないかもしれません。しかし、この制度は女性にとってとても面倒なのです。

あらゆる契約書、カード類、保険、免許証の氏名変更手続きが必要で、ついでに新しい姓の印鑑まで作ります。離婚するときはうんざりしながら元に戻すのです。何と無駄な時間と事務処理経費でしょう。

台湾は夫婦別姓なので諸々の手続きがとてもスムーズで合理的だと感じました。家族で同一姓が当たり前の文化で育ちましたが、夫婦で姓が違うことにはすぐに慣れました。

例えば我が家は、
 ・マルコスとマルコス姉 →マルコス父の姓A
 ・マルコス母 →生家の姓B
 ・ゆっこ →生家の姓C
という具合に、同じ屋根の下に3種類の姓が存在しています。普段の生活で姓を気にすることもないので、全く違和感はありません。

日本でも国際結婚の場合のみ夫婦別姓が認められていますが、未だにどちらかの姓を選ばなければならない国は日本だけのようです。せめて各夫婦の考え方を尊重できるように、同姓か別姓か選択制にならないものでしょうか。

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台湾は名前の変更が出来る斬新な国

台湾では生まれた時に親につけてもらった名前を自分で変えることができます。

私はマルコス父の名前を覚えていないので、家の中でたまに目にするマルコス以外の男性名が入ったカード類や資格の確証、名前入りの手帳などは、マルコス父のものだと思っていました。

しかし、それはマルコスの過去の名前でした。

実はマルコスは2回名前を変えています。1回目の改名のときは、元の名前の2文字目を残したので、最初の2つの名前は私にとっては同じ名前に見えたのです。

そして、3回目の私が知っているマルコスの名前はガラッと変わっています。
太郎→志郎→龍馬みたいなイメージです。

そして、名前を変えた理由は、運が悪くなってきたからだそうです。風水や運勢を重んじる台湾らしい理由ですが、斬新!!

法律で定められた名前変更を申請できる条件は、簡単に翻訳すると以下の通りです。

1. ひとつの会社、組織、団体、学校で姓名が全く同一の人がいる
2. 3親等以内の直系親族と名前が全く同一
3. ひとつの市または県に6か月以上居住し、そこに姓名が全く同一の人がいる
4. 指名手配犯と姓名が全く同一
5. 養子なったとき、養子縁組を解消したとき
6. 文字の意味が低俗、下品である、音が長すぎる、またはその他の特別な理由がある

第6項に従っての名前の変更は、3回までとする。ただし、未成年者の2回目の名前変更は成人後(18歳以降)に行うこと。

姓名條例  第9條 2015 年 05 月 20 日 改定より

1,3,4項の「姓名が全く同じ人がいる」というのは、いかにも台湾らしい項目です。

日本の姓が約29万種類あるのに対して、台湾の姓は約1,500種類しかありません。しかも上位10の姓を名乗る人口が総人口の約53%を占め、上位100の姓を名乗る人口が総人口の約97%を占めています。

姓名が全く同じ人に当たる確率が高いことがわかります。1~5項は確証があれば何度でも変更可能だそうです。

第6項の「その他の特別な理由」というざっくりした条件が、マルコスの「運勢が悪いから」にあたります。

では、名前をどう決めるかというと、姓名判断の占い師に候補を出してもらって、その中から選ぶそうです。

マルコスの場合、1回目に変更したときに占い師がつけた名前は良くなかったようで、2回目は著名な占い師に見てもらったそうです。その時は、家族全員一斉に名前を変えたそうです。

なんだか、凄い文化だな…

この6項の理由による名前の変更には3回までという制限があります。

手続きは簡単で、役所に国民身分証(IDカード)、印鑑などを持参し手続きをします。費用は約100元(360円)程度です。名前変更がワンコイン以下で出来てしまうとは驚きです。

名前を変えることで、友達や会社の人は困らないのかなと思ったのですが、台湾人はイングリッシュネームを持っている人も多くて普段そちらを使っていたり、ニックネームで呼び合うことも多いです。

実際にマルコスの話に出てくる会社の同僚は全てイングリッシュネームです。普段の生活では本名を使うことがあまりないのかもしれません。

ただ、結婚式で招待状の宛名書きをしたときに、マルコス母の友人が「これは昔の名前よー」なんて言っていることがありました。たま~に支障がありそうです。

実際に、マルコスやマルコス姉の友達で名前を変えている人は半分もいないそうです。マルコスもマルコス姉も2回名前を変えていますが、変えない人の方が多数派のようです。

ちょっと調べてみると、政府が名前変更の統計をとっているのを見つけました。

面白いのは、統計を年齢別、星座別、地域別の順に紹介している点です。思い返すと、マルコスと出逢った頃に誕生日を聞かれた時に、私の星座とその特徴をスラスラと話してくれました。それだけ、生活に占いが密着しているのでしょう。



ちなみに、2010-2017年の統計では、天秤座が最も名前を変えた人の割合が高くて9.03%、次に蠍座8.95%、乙女座8.93%となっていました。星座別の統計、、、斬新!!

マルコスはあと1回、「特別な理由」で名前を変えられます。この先また名前を変えることがあるのか、あるならば占い師のところに付いていって様子を見てみようと思っています。


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