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【台湾の文化】熱中症になったら、料理酒とレンゲで首と背中をこすって治す

台湾の文化、生活

こんにちは、台湾のゆっこです。

私は生まれも育ちも横浜なので、15年ほど前に名古屋に引っ越したときは、夏の暑さと湿度に数年間は慣れませんでした。引っ越して最初の夏、外に出ると一瞬で全身が湿っぽくなる感覚に驚いたのを今でも覚えています。

そして今度は台湾です。去年は台湾での最初の夏でした。そもそも汗っかきなので、家の中で座っているだけでも全身から汗が出て体力を奪われ、クーラーなしでは廃人になってしまいそうな夏でした。

名古屋の夏もかなりのものですが、台湾に比べると暑い時期は短いし、まだマシでした。

そして、去年は2回、軽い熱中症になりました。そのときに、マルコスやマルコス姉に、見たことも聞いたこともない熱中症を解消する処置をしてもらったので紹介します。

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料理酒とレンゲで首をこする不思議な熱中症解消法

夏のある日に、頭が痛くなって力が出なくなり、気分が悪くなりました。マルコスに伝えると「熱中症」じゃないかと言われ、熱中症の症状を緩和するという処置をしてくれました。

その時に使ったのが、料理酒とレンゲです。

台湾のどこにでも売っている一般的な料理酒。


そして、普段使っている何の変哲もないレンゲ。


お椀に料理酒を少し入れてレンゲにつけて、私の首の後ろから背中にかけてをすっすっとこするマルコス。そして、「やっぱり熱中症だ」と確信した様子です。

なんでそんなことが分かるのか訝しんでいると、熱中症だとこすった部分が赤くなるというのです。そして、赤い発疹の出方には左右に差があると言います。

写真を撮って見せてもらったら、右側が特に赤くなっていました。


強くこすったわけではないのですが、熱中症だとこのように赤くなり、ここから熱が逃げるのか、熱中症の症状が軽くなるそうです。

マルコスは「不思議だよね、でもこうすると楽になるんだ。」と、原理はよく分からないけど昔から台湾の家庭で行われている民間療法だと言います。

マルコス一家は家族の誰かに熱中症っぽい症状が出ると、この方法で熱中症か確認して、赤くなったらしばらくこすって症状を緩和させる、というのを当たり前のようにやってきたようでした。

この日はレンゲで処置してもらいましたが、後日、行方不明だったカッサ(牛の角や石でできたマッサージの道具)が見つかったので、別の日に熱中症になったときにはカッサを使ってこすってくれました。

こちらが我が家のカッサです。


全く熱中症ではないマルコスは本当に赤くならないのか、マルコス姉にマルコスの首を試しにこすってもらいました。


少し強めにこすってみたというマルコス姉、本当に全く赤みが出ませんでした。不思議です。(セクシー風マルコスの背中ショット、失礼します)


この処置をしてもらうと、不思議と症状が楽になります。暑い国ならではの生活の知恵、面白いです。

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なぜ、熱中症が解消されるのか?

「カッサ」は美容のために顔のマッサージをするアイテムとして、以前日本でも流行ったので私も知っていました。

調べてみると「カッサ」は漢字で書くと「刮痧(グァシャ guāshā)」で、『痧をこする』という意味で、道具そのものを指す言葉ではなく、療法そのものを指す言葉でした。

痧(シャ shā )」は、私の背中にも表れた赤くなった部分で、体内の老廃物や瘀血(おけつ)という血液が滞っている部分があると、皮膚に赤い斑点として現れます。

私がカッサだと思っていたものは「刮痧板」といい、「刮痧」をする道具を指します。刮痧板がないときに、台湾の家庭ではレンゲやスプーンや小さなコップなどで代用して刮痧をしているのです。



では、「刮痧」をするとなぜ熱中症の症状がやわらぐのでしょうか。

ざっくりとは以下のような仕組みのようです。

経路という流れに沿って皮膚を刺激する

滞った血の流れが良くなる、毛細血管を拡大させる

毒や邪気(老廃物とも言う)、熱、湿気が取り除かれ、気が良くなる

痛みを和らげたり免疫力を上げたりする効果がある

刮痧をするときに料理酒をつけるのは、アルコールの気化と共に、より熱が逃げやすそうなので、熱中症への効果を高めるのかと納得しました。

民間療法とは言え長年の歴史があるもので、効果があるのは明らかですが、どこまで医学的に証明されているのかは、はっきりとは分かりませんでした。

熱中症だけではなく、風邪、発熱、肩こり、消化器疾患、関節痛、リウマチにも効くとされています。(万能じゃないか!)


台湾人であるマルコスもマルコス母もマルコス姉も、夏の間に少なくとも1度は熱中症になっていました。

また、夏でなくても熱中症になることもあります。私は冬に、熱いお風呂につかりすぎて、上がった後に身体が熱を持ちすぎて力が入らず、気分が悪くなったことがありました。

このときも、首の後ろをこすってもらったら赤くなり、処置をしてもらって楽になりました。

日本では美容法として知られている「カッサ」、台湾では民間療法として知られている「刮痧」。

血液循環を良くして老廃物を取り除くので、美容にも健康にも効果がありそうです。

台湾では刮痧板が街のあちこちで売られているのを目にするのは、家庭でお馴染みのアイテムだからですね。値段もお手頃なので、台湾旅行のお土産にもいいかもしれません。

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