こんにちは、台湾のゆっこです。
日本には飲食店を経営している友人が何人かいます。日本の状況をテレビで見ていて、大丈夫なのかとずっと気になっていたので電話をして色々と話をしました。
観光地以外は割といつもの光景と変わらない台湾に比べて、日本の様子は全く違います。
名古屋の街は人がまばらで、有名な地下街も閉店している店ばかりで、異様な雰囲気とのこと。
横浜の中華街は、平日の昼時でも9割がたお店が閉まっていたそうです。夜の電車もガラガラで、店を開けていても人が来る期待なんて出来ないと言います。
スーパーやコンビニでは、レジとお客の間にビニールシートを張っているのだとか。もし台湾だったら、マスクをしていない客は入店不可にするのでしょうが、日本だとそれも難しいようです。
こういう事態になって、国の色が全く違うことに改めて気づかされます。
ほんの数カ月前、正月を過ごしに日本に帰ったころには考えられなかった光景が広がっていると思うと心が痛み、何とも言えない気持ちになります。
飲食店経営者の友人たちは皆とても厳しい状況なのですが、その中の1人がこの苦境を乗り切るためにクラウドファンディングプロジェクトを始めました。
詳しく話を聞いてみて、その仕組みがとても良かったので、飲食店だけではなく、苦境に立たされている他の業界の方たちの参考にもなればと思いシェアすることにしました。
私もそうでしたが、横浜にも名古屋にもお気に入りのお店がいくつかあって、1人でも友人とでもよく飲みに食べに行っていました。
そんなお気に入りが一軒でもある人は、この状況なので実際にはお店には行けないけど、コロナが落ち着いたらまた飲みに食べに行けるように、なんとかお店に持ちこたえて欲しいと願っていることと思います。
そこで、「クラウドファンディング」というシステムを使い、未来のためにお客様に金券を買ってもらい、お気に入りの店がなくなってしまわないように応援をしてもらおうというのが今回のプランです。
一人一人の金額は小さくても、プランに賛同してくれる多くの人(crowd)から資金を集めて(funding)目標を達成しようという資金調達法。
「寄付タイプ」と支援者にリターンがある「購入タイプ」がある。
お客さんは今は店に行けなくても、金券を買うことでお気に入りの店の今を支えることができます。(支援者にリターンありの購入タイプ)
お客さん自身が未来に金券を使えるので、食事代の前払いのような感覚です。
プロジェクト終了後に、クラウドファンディング会社が集計し、各店舗に支援者リストと必要枚数の金券が送られます。お客さんは応援した店に来店したときに、金券を受け取り使えるという仕組みです。
お客さん側の実際の手続き画面を見ると、支援金額を選んで、参加店の中から応援したい店名を入力し、オンラインで支払うというシンプルなものでした。
今回は飲み屋さんが中心のプロジェクトなので、最低支援金額が3000円からとなっていました。
また、友人がお願いしたクラウドファンディングの会社は、この事態なのでとにかく飲食店を支えることを目的としているため、普段よりも手数料をグンと下げてくれているそうです。そして、集まった金額から手数料(5%程度)を差し引いた金額が各店舗に振り込まれるそうです。
この仕組みが優れている点
- 1店舗だとプロジェクトを立ち上げにくいが、参加店が複数あることで資金が集まりやすい
- プロジェクト参加店が紹介しないと、新規に参加できない仕組みなので、金券の売り上げだけもらって逃げるような店は排除される確率が高い
- 少しの間持ちこたえる資金が得られることで、思いきって休業してコロナ感染から自身もお客さんも守れる
- 現在のガツンと凹んだマイナスを、未来のマイナス(金券利用により未来に現金収入が減る)へ持ち越すことで、マイナスの平たん化が出来る
- お客さんは、店に行かずともお気に入りの店の支援ができるし、何か月後かに店に行くという楽しみが増える
この仕組みの問題点
- 応援金が自店舗にどれだけ集まるかはプロジェクト期限が終了しないと分からない
- 応援金が手に入るまでの数カ月、店が持ちこたえられるか見極めが必要
- お客さんは応援金を支払っても金券が使えなくなるリスクは残る
店舗経営で困っている人がいたら、ひとつの案として提案してみてはいかがでしょうか。
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