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こんにちは、台湾のゆっこです。
前回に引き続き、旧正月の恒例イベントをもう一つ紹介します。
旧正月9日は空の神様「天公(ティエンゴン tiāngōng)」の誕生日で、前日である8日の夜中に家族で「天公生(ティエンゴンシェン tiāngōng shēng)」という礼拝を行います。
道教って何だか色々と儀式があります。そのたびに新しくフルーツを買ってくるので、家には食べきれないくらい沢山のフルーツがあります。
天公と天公生
「天公(ティエンゴン tiāngōng)」は空(天界)を牛耳る神様界の元締めです。最高位の神様ということで、人々にとても崇められているので扱いも丁重です。
旧正月2日に土地の神様をお参りしたときに、最初に空に向かって手を合わせたのは、「天公」に対する礼儀だったわけです。
そして、天公の誕生日に礼拝することを「 天公生(ティエンゴンシェン tiāngōng shēng)」と言います。
天公生はなぜ誕生日前日の夜中に行うのか?
天公の誕生日は旧正月9日ですが、礼拝は8日の夜中23時から翌1時の間に行い、遅くても朝7時までには済ませなければなりません。
時間にゆるい台湾ですが、神様のこととなると時間に厳しいです。
さて、ではなぜ前日の夜中23時から行うのでしょうか?それには、2つ理由があります。
十二時辰を使う
ひとつは、古代中国で使われていた「十二時辰(じゅうにじしん) 」という、1日を12個に分けた時辰(時間)を使うからです。昔は日本でも十二時辰が使われていました。
夜中の0時を中心とした2時間から始まり、
子の刻(ねのこく)は23時から翌1時、
丑の刻(うしのこく)は1時~3時、
寅の刻(とらのこく)は3時~5時・・・
と十二支を使って数えていきます。
十二時辰の中では、”丑の刻”が一番有名だと思います。子供の頃は「丑三つ時」といえば、とにかく怖い時間帯だと思っていたものです。
余談ですが、丑三つ時は正確には2時~2時30分を指します。丑の刻を30分ずつ4つに分けた3つ目の時間帯を指すのだそうです。同様に、「子一つ時」や「午二つ時」などと言ったりします。
この十二時辰で時間を数えるために、旧正月9日は8日の23時から始まるというわけです。
なるべく早く祝う
ではなぜ、23時から1時の”子の刻”に礼拝を行うのでしょうか。
その理由は、誕生日になったらなるべく早く祝うことで、天公への敬意を示すためです。
夜中の0時に誕生日になった瞬間に恋人にメッセージを送って、愛情をアピールする感じですね。
天公は男性の姿で祭られていますが、私のイメージでは完全に誕生日を心待ちにしている彼女の姿です。
この誕生日にこだわる彼女、いえ天公のために、夜な夜なお供え物や花やろうそくを玄関先に準備して、家族で礼拝するのです。
自宅で行った「天公生」の様子
天公は空の神様なので、玄関先に外に向けてテーブルをセットします。
一対のろうそくと花、そして米、フルーツ、ナッツ類やキクラゲ、麺などの食べ物をお供えします。市場に行った時間が遅くて、今年は綺麗な花が買えなかったそうです。
古くなったろうそく立てを捨てたことを忘れていて、新しいものを買い忘れたというマルコス母。
そこで、ガラス製のテーブル天板に直にロウを垂らして立てるというカジュアルな方法をとっていました。
大きめのろうそくが意外としっかり立っています。それにしても、大雑把な家族です。
最終的に、9種類の食べ物と、6種類のフルーツが並べられていました。
右上のピンク色の丸いものは、中に小豆や白い豆のあんが入っている饅頭みたいな食べ物です。長寿の象徴とされる赤い亀の甲羅を模していて、縁起の良いことを表しています。
マルコスが小さい頃は夜中にお宮まで足を運んで礼拝をして、紙銭(紙のお金)を燃やしたりしたそうです。
準備するものや決まりごとも色々とあるそうですが、最近では家でこのように簡易的に行うようになってきたそうです。
また、台湾では天公生だけではなく、年間を通して色々な行事で紙銭を燃やすのですが、環境に悪いということで段々と省くようになってきています。
さて、準備が整ったところで線香に火をつけて、家族揃って礼拝です。線香も最近では必要最低限の本数しか火をつけません。
マルコスは一家の主なので3本、他は1本ずつです。
祈りが終わったら、線香はまとめてテーブルの中央に置いていあるお米に立てます。なるべく垂直に立てるのが良しとされています。
線香に火を付けると毎度のことですが、長さが半分になるまで待ちます。半分になったら再度お祈りをして終わりです。
翌日、ガラスの天板についたロウを日本で買ったメラミンスポンジで綺麗に拭き取りました。全く痕跡が無くなったので、来年も直でいいんじゃないかと思っています。
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