台北の小さな廟から「作曲」を依頼されたマルコス

台湾の日常・家族


こんにちは、台湾のゆっこです。

3歳の太郎が最近気に入って聴いているSoren Chien(ソレン・チエン)という音楽のYouTubeチャンネルがあります。

アップされている曲はピアノ音楽、ロック、ポップソングなどジャンルは様々。

曲によって中国語、英語、日本語の3か国語が使われています。

アップされている曲の中で、最近太郎が特に気に入って聴いているのは創作アニメ『境界狩魔録』のオープニングテーマ曲「灼ける刃」です。



子どもが見るには少し怖い映像もあるのですが、太郎はSoren Chien(ソレン・チエン)の創作アニメシリーズが大好きです。

時にはエアギターを弾いたり、マルコスのウクレレを持ち出してでたらめ・・・・に音を奏でて楽しんでいます。

私も一緒に毎日聴いているので、気づくとSoren Chien(ソレン・チエン)の曲を口ずさんでいたりします。

さて、このSoren Chien(ソレン・チエン)、実は運営者はマルコスなのです。

チャンネルのアイコンに「AI MUSIC STUDIO」と明記されているように、すべての音楽や歌詞は生成AIで作られています

マルコスは今年の4月半ばごろから生成AIを駆使し作曲活動を始めて、この約3か月間で54曲をアップロードしています。

作詞作曲は巷で話題のSunoを使い、写真や絵はChatGPTを使って作成しています。

創作アニメシリーズに至っては、自分でストーリーを考え、それぞれのシーンに見あった絵を作成していくそうで、AIが作る絵と自分のイメージが合わずてこずることもあるようです。

マルコスは音楽が大好きで、学生時代に組んでいたバンドでキーボードを担当していたこともあり、今でも家の電子ピアノで曲を弾くこともあります。

そんな音楽大好きマルコスなのですが、リズム感がとっても不思議で、曲と手拍子が微妙にずれるのです。

曲のリズムとほんのゼロコンマ数秒ずれます。

時には、口ずさんでいる曲、身体を揺らしてとっているリズム、手拍子の3つが全てずれるのです。

真似しようとしても逆に難しい。

ある意味、特殊能力

そんなずれずれマルコスが作る曲が、結構いいんです。

実際にマルコスの曲を聴いて「ぜひ私の廟のイベント用の曲を作って欲しい」との依頼までありました。

もちろんマルコスは素人なので、リーズナブルな価格で作曲を引き受け、曲をお渡しすると、神様がOKを出さなかったという理由で曲を作り直すと言うハプニングもありました。

どうやら、台湾の廟でみかける赤い半月型の筊杯じゃおべい(jiǎo bēi)という占いの道具で神様にお伺いをたてた結果、NGが出たようです。

とは・・・
道教で使う占いの道具。赤い三日月のような形をした2つでひと組のもの。
これを投げて、出た目が両方表または両方裏ならNO(NG)、表と裏ならYES(OK)となる。



神様のOKが出なかったのなら仕方ないと、2曲目を作ると神様からOKが出て、結局2曲ともご購入いただくことになりました。

実に台湾らしくて興味深いエピソードでした。

ちなみに、Soren Chien(ソレン・チエン)の一番の人気曲は三国志がテーマの「溫侯傳 EP01」で、もうすぐ再生回数が1万回になります。



私は三国志をほぼ知らないので、三国志シリーズは聴いたことがありませんが、お好きな方はぜひ聴いてみてください。


ChatGPTが作成する絵が、時に指が6本あったり、逆に足りなかったりして、自分で修正することもあるそうです。

そして、マルコスがよく見直しても、第三者が見ると変な絵だったりして、新しい創作アニメができるとツッコミどころを探すのも楽しみのひとつになっています。

例えば、創作アニメ『恋とアホが止まらない』EDテーマ曲 – 勇氣の一歩のワンシーン。

男の子がお弁当から揚げ物らしきものをおすそ分け、それを素手で笑顔で受け取る女の子。

気づくとクスリと笑えます。


素人でも作曲ができて、依頼まで受ける日がやってくるとは。

夢があるというか、AIって凄いと言うか、恐ろしいと言うか…

とにかくすごい時代ですね。

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