「割り箸」でみた台湾と日本の文化の違い

台湾の文化、生活


こんにちは、台湾のゆっこです。

みなさんの自宅に友人や親せきなどのお客さんが来て食事をする場面を想像してみてください。

用意するのはどのようなお箸ですか?

割り箸ですか?それとも、使い捨てではないお箸ですか?

日本では「お客さんに割り箸を出す」というのは、誰も使っていない清潔なお箸を出すということなので、よいマナーとされています。

日本では来客用のちょっといい割り箸も売っていますよね。

実際に、私の母もお客さんには少しいい割り箸を用意していました。

たまにクオリティ高めのきれいな割り箸が手に入ると、来客用にきれいに保存していた記憶もあります。

少しいい使い捨て箸は割らないタイプも多いので、正確には「割り箸」とは言わないかも知れませんが、とにかく一膳ずつ袋に入った使い捨てのお箸を来客用に用意するのは日本ではおもてなしでもあります。

そんな日本の当たり前が台湾では違うのだと知ったできごとがありました。

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ある日、マルコス母とマルコス姉が私たちの家に来て一緒にランチを食べることがありました。

この日は私の手作りランチだったので、自分たちが使うお箸(結婚祝いにいただいたペアのお箸)以外に、ゲスト2人のお箸2膳とおかずの取り分け用のお箸数膳が必要でした。

そこで、マルコス母とマルコス姉には割り箸を、取り分け用には黒い箸を何膳か準備しました。

この黒い箸は引っ越すときにマルコスの実家からもらってきたものです。

マルコスの実家には小吃店でよく見るような黒いプラスチックの箸のペアが沢山あって、食事で使うお箸と言えばこの黒い箸のみ。

個人も取り分けもすべて同じ黒い箸を使います。

マルコス母もマルコス姉も元々は一緒に住んでいたわけですし、黒い箸も2人にとってはある意味いつものお箸なので、ゲスト用と取り分け用の全てを黒い箸にしてもよかったのですが数が足りませんでした。

そこで、マルコス母とマルコス姉には割り箸を用意したのです。

私にとっては自然な選択でした。

ところが、マルコス母とマルコス姉が帰ったあとに、マルコスに怪訝な顔でどうして2人に割り箸を用意したのかと聞かれました。

変なこと聞いてくるなぁと思いつつ、黒い箸の数が足りなかったことと日本のマナーについて説明をしました。

すると、台湾では普通のお箸を出した方がいいのだと言われました。

特に近い間柄である親戚や友人に割り箸を使うことで、相手との距離を感じてしまうようでした。

私は友人や親せきの家に遊びに行ってご馳走になるときに割り箸を出されても距離を感じることはありませんし、むしろ気遣いを感じると思います。

台湾と日本で割り箸に対する感覚が真逆で驚くと共に、割り箸ひとつをそこまで気にするマルコスは本当に繊細な人物だと思いました。



台湾での生活に慣れてしまって、お箸について深く考えたことがなかったのですが、考えてみれば日本では家族それぞれのマイ箸があるのが一般的ではないでしょうか。

私も物心がついたときから自分専用のお箸を使っていました。

日本では食事を目から楽しむことも重要視する文化なので、食器やお箸のデザインにこだわるのはとても日本らしい文化です。

台湾では大家族時代のなごりからか、全て同じデザインのお箸を使うことで、ペアを作る手間が省けるという合理性を重視しているのかもしれません。

食卓ひとつとっても台湾と日本では様々な違いがあるものですね。

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