こんにちは、台湾のゆっこです。
基隆港の大型船乗り場の向かい側にある、「基隆文化中心」の中には一体なにがあるのだろうか…
と思いつつ、いつもスルーしていましたが、台湾在住3年目に入ったところで、ようやく中を確認しました。
それにしても、大型船は本当に巨大!
少し首を左に振ると、山肌に「KEELUNG」の文字が見えます。
HOLLYWOODかよ!と三村風にツッコまれるアレです。
基隆文化中心の歴史
まずは簡単に、基隆文化中心の歴史を紹介します。
日本統治時代の1903年に、台湾初の集会施設「基隆公會堂(公会堂)」として建設されました。
演劇ホール、美術館、図書館などを兼ね備えた、文化活動のための大型施設が初めて台湾にできたのです。台北ではなく、大きな港がある基隆に建設されたというのが興味深いです。
1945年、中華民国時代に入ると「中正堂」に改名されます。
蒋介石が絡むと名付けられる「中正なんちゃら」ですね。
1985年、土地を平らにならし、「基隆市立文化中心」として、現在の建物に再建され、
2004年、現在の名前「基隆文化中心」に改名され、今に至ります。
つまり、建物の年齢は35歳。
人間の35歳は、脂がのったいい年齢でありますが、建物の35歳はかなり老朽化が進んでいる年齢になります。
ということで、現在は大規模な改修工事が行われています。演劇ホールの座席や舞台そのものと階段などを主に再設計したのだそうです。
完成は2021年末とのこと。
さて、計画通りに終わるのでしょうか。(予定は未定 台湾あるある①)
田寮河から基隆港へのブリッジも来年末完成予定となっているので、1年後を楽しみに待とうと思います。
入り口は2か所
入り口は2か所あります。
「展覧」と書いてある面と、「大型船側」の面です。
「展覧」側の入り口には、あうんのペアの狛犬ならぬ、狛ライオンが構えています。
狛ライオンの左側の軒下では、夜や休日は若者がダンスの練習をしている姿を見かけます。(ダンス好きが多い 台湾あるある②)
建物を回り込んで、「大型船側」から建物の中に入ってみます。
過去の美術展の看板はそのまま放置。(細かいことは気にしない 台湾あるある③)
建物内部
宮殿風のデザインを堪能しよう
「大型船側」の入り口を入ると、1階には三島珈琲が入ってます。
エレベーター前に、急に木製の魚のオブジェ。
この建物は宮殿風の作りなので、謎のチョイスです。
この建物は1階と2階の間にM階(中2階)がある、台湾では珍しい造りになっています。
(2020年12月17日現在は改修工事のため、3階以上は入れなくなっています。)
エレベーター前の魚を観察したら、エレベーターには乗らずに、階段で上がりましょう。
どうですか、この階段。まさに宮殿風ではないでしょうか。
壁は細かいタイル貼りになっています。
そして、ところどころタイルが剥がれています。
現在では乾式工法でシート状のタイルを簡単に固定する方法を取り、工期も予算も削減する場合が多いと思われますが、こちらの壁は湿式工法でモルタルの下地に職人さんが一枚一枚タイルを貼った様子が想像できます。
そんな風に建築浪漫を感じながらM階に到着したら、是非みて頂きたいのが、下の矢印方向の眺めです。(バッテンは吹き抜けを意味します)
M階から1階に続く大空間が一望できます。
照明はレトロ、天井の細工も凝っています。
階段を降りて上を見上げると、古い建築物特有の優雅なデザインに包まれます。
ちなみに、このホールを進んだ右手が、狛ライオンがいる展覧側の出口になります。
奥のホールで準備中のステージが気になったので、確認しに行きました。
なんと、年越しの音楽イベントがここで行われるようです。雨を想定して、屋内イベントにしているのでしょうか。参加するバンドのトップの「宇宙人」が目を引きますが、全く存じ上げません。
図書館の絵本コーナーが楽しい
階段で2階に上がると、広いスペースがあります。ここもやはり週末になるとダンスの練習をしている若者たちが集います。(ダンス好きが多い 台湾あるある②again)
さて、2階3階には図書館があります。
2階は子供コーナー専門で、絵本がたくさん置いてあります。
本棚は背の低いものが中心
靴を脱いで上がれるコーナーもあります。(休日は親子で賑わいます)
どんな絵本があるのでしょうか。
日本人作家の絵本に目が行きます。表紙の絵を見ると、日本人が描いたのだろうなとすぐに分かるの、不思議ですね。
ライト兄弟の伝記
ジャックと豆の木は、本もなが~く使われています。
文字の部分を拡大すると、このようになっています。
子供向けの絵本なのに、漢字だらけという違和感。
みなさん、縦書きなのか横書きなのか、分かりますか?
正解は横書きです。
漢字の横に書いてある記号は「注音符号(ㄅㄆㄇㄈ)」と「四声」で、これで音と抑揚を表します。日本語で言う、ひらがなでルビが振ってあるイメージですね。
注音符号が書いてあっても、漢字だらけでイヤだ~と更に物色していると、漢字が少なそうな英語の動物図鑑みたいな本を発見。
パッと本をひらくと、物騒な質問が繰り広げられていました。これなら私でも読めそうだけど、今一つ興味がわかない。
この日は幾米という台湾の人気絵本作家の絵本展ということで、沢山の絵本が並んでいました。ちなみに、展示期間が過ぎても展示されていました。(日付は目安 台湾あるある④)
幾米さんの棚から、「你們 我們 他們(君たち私たち彼ら)」というキャッチ―なタイトルの絵本を見つけました。
something about loveという副題がついていて、子供にはちょっと大人な内容であろうことが予想されます。
猫好きなので、猫がたくさん描いてあるページが目に留まりました。
内容は…
『彼女はいつも猫好きの男性を好きになり、毎回別れる時にその男たちは、彼らが可愛がっていた猫を置いて去って行く。彼女はもう過去の恋人たちの顔は思い出せないが、彼らが残していった猫たちの世話をしている。そして後に、彼らが愛する猫たちの世話をするために、彼女は男性との愛を諦めることとなった。』
幾米さんが、シュールな作家としてインプットされました。
それにしても、台湾には「ひらがな」がないから、当たり前ですが子供向けの絵本も全て漢字、しかも繁体字。台湾の子供たち大変だわ。
さて、私が図書館の子供コーナーを物色しつつ探していた「私でも読む気になる本」をついに発見しました!
大好きで何度も観ている「千と千尋の神隠し」です。
内容も頭に入っているし、注音符号もバッチリふってあります!!
これなら読めるし、勉強になりそうだし、やる気になるでしょう!!!
(カオナシはモザイクかけてもカオナシということを知る)
絵本の紹介が思いのほか長くなってしまいましたが、絵本を離れて2階図書館の奥へ進みます。
奥には視聴ルームや会議室、
局長室などがあります。
廊下にはカラーリングがかわいらしい公衆電話。
台湾の公衆電話は、色使いに遊びがあってよき。
図書館ゾーンの内部階段で3階に上がると、自習室があります。
休日でも空ているので、静かな場所でガッツリ勉強したい人には使えそうな場所です。
昔の写真が飾ってある、資料室のような部屋もあります。
1年後には進入禁止が解かれて、新しくなった演劇ホールが使えるようになる予定です。
中国語の演劇を観るには、相当レベルアップしなければならないので、それまでに千と千尋の神隠しで勉強をしますかね。
お気軽にコメントください
とても細かくご紹介いただいて、興味深く拝見しました♪
台湾あるある・・・笑えました。
本当にあるあるですね!
でも宮廷調のところなどはかなりお金がかかっているのではないでしょうか。
天井とかすごい~!
ジミーさん♡私、結構好きで本も持っています。
ここ、たくさん本があっていいですね~!
うちの近所の図書館は絵本コーナーはしょぼくてダメです。
絵本がすごく好きで、中国語の絵本も色々見ていますが
千と千尋とかもあるのは知りませんでした~。
カオナシ♡あ・・・は、中国語でも、あ・・・なんですね。笑。
メイフェさん
台湾あるある、台湾在住の日本の方にしか通じないですね(笑)
基隆文化中心は、ただの箱みたいな外観に似合わず、
中身がやたらオシャレなんですよね。
外観もどうにかならなかったものか…
能ある鷹は爪を隠すですかね(笑)
ジミーさん、私は初めて知りました。
絵本をこんなにじっくり見たのも初めてでした。
そして、実は昨日さっそく、千と千尋の神隠しの絵本を
自分用に買っちゃいました!
読むのが亀より遅いです!!!
が、好きな話だから中国語の勉強がんばります!
カオナシの「あ・・・」、気づいていただけて嬉しいです♡